7月の手招き
久しぶりに夜の街を駆け抜ける。
自転車で、シュッと。
アルコールは飛んで、視界はクリア。
酔い濁った視界は好きじゃない。
視界の中に飛び込んでくるものがある。
提灯。
大通りからちょっと入った商店街。
大通りに出るまでの商店街。
アーケードの下に、でかでかとぶら下がる。
灯らずにスヤスヤと眠る提灯。
私はそれを見て、
「7月が手招きしてるみたい。」
と思った。
6月の終わりを感じるのでなく、
もうすぐ来る7月を感じた。
四季をあまり感じなくなった。
この世界は終わりに向かってると思う。
いつ来るか分からない、突然来るかもしれない。
終わり。
人は終わりに向かって進むんだけど、
365日と12ヶ月と1年を
数として捉え、感じる事は出来るのだ。
梅雨も夏も、もう分からないや。
ただ確実に、7月は手招きをしている。
それだけで十分なんだよ。
空の底
夢なんだけど。
見下ろした景色は、空の底のようだった。
見下ろしているんだけど、見上げているような錯覚になる。だまし絵のような世界。
青々とした木々の中心部に小さな湖。
その水面に映る空は、雲の流れを時の流れを映し、1秒たりとも同じ表情は無い。
「うわっー!日本にこんな場所あったんだ!!」
と夢の中なのに叫んでる。
この景色を収めたいのに、収める機械を麓に置いてしまってきた。
「取ってくる!」
と同行していた知人2人を残し、登って来た道を駆け降りる。
駆け降りた先は地下鉄のホーム。
ダンジョンのように入り組んだその中からコインロッカーを探す。
そうか、これは夢か。
と思ってしまって目が覚めてしまった。
もう一度、空の底には行けるだろうか。
それとも現実で見えるのだろうか。
そんな感じ。
そういえば何も知らない
先日、こんな場所を発見して。
諸事情により、トイレ休憩と周りをブラついただけなんだけど、すごくB級スポットだったな、と。
「何で、"イングランドの丘"なんよ?」
「日韓W杯の時の名残りよ。」
「ぁ、、、合宿地か!」
と従兄と会話をする。
そうだ、そうだ。
この国では、全国各地に2002年の名残りがあるのだ。
ぉ、じゃあそういえば、2020年ってどうなるんだっけ。東京五輪。
インターネットの海にダイブして、それとなく回遊する。
「選手村とかどうなるんやろ」と思って探してたのだけれど、ふと目に止まる。
一通り目を通したんだけど、何これ。めちゃくちゃ面白い。
成されている意見はもちろん有識者の物なんだけど、各々の立場・視点・経験で話し合いがされていて、ちゃんと資料として残っている。
それを一般市民である私が読んでいる。
議事録の中身もそうなんだけど、そのフローさえもめちゃくちゃ面白い。
参加してないのに読めちゃうじゃん。
しかも、割と口語で議事録が残されているんだなって。
ある種の議事録の勉強にもなる。
なんなら、各委員会毎の議事録の形式も面白い。
明朝体・ゴシック体・行間・文字間、全部バラバラ。
読みやすいと読みにくいが混同している。
でも、これは私にとっての感じ方であって、議事録をまとめた当事者方にすれば、それぞれの読みやすいかもしれない。
業界が違えば、そこに沿った形式もあるのだから。
議事録の向こうに、この資料をまとめた人がいるんだな、って思うと、それもまた面白いんだよね。
AIが発達した世の中になれば、これをする仕事もなくなるのかもしれないけれど、人が見えてくる、っていう事がめちゃくちゃ面白い。
情報って手に取らないだけで、そこらじゅうにゴロゴロ落ちているんだな、って。
まだまだ何も知らない。もう少し掘ってみよう。